管理栄養士yukikoブログ

日本最大ソーシャルイベント「夢AWARD7」グランプリ受賞、高齢者を元気にして世の中の社会保障費を低減したい、と日々奮闘しています。

鯖(さば)&牛乳の栄養 ②牛乳の栄養

昨日、日本静脈経腸栄養学会首都圏支部学術集会にて「鯖のミルク煮」を試食提供しました~
前述の①鯖の栄養に続き。。

②牛乳の栄養はすごい\(^^)/
(一般社団法人日本乳業協会HP参考)
牛乳の成分の主なものは、水分、たんぱく質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミンです。
もう少し掘り下げてみてみましょう!

たんぱく質
主成分はカゼイン(約80%)で、残りはラクトアルブミンやラクトグロブリンなどのホエーたんぱく質。体内で合成できない必須アミノ酸や分岐鎖アミノ酸バランスよく含んでいる理想的なたんぱく質で、筋肉や血液を作るもととなります。
その他、カゼインホスホペプチド(CPP)は、カゼインが消化される過程でできる物質で、小腸下部でのカルシウムの吸収を助け、オピオイドペプチドは、カゼインからできる物質で、神経の興奮をしずめる作用があるとのこと。
塩基性たんぱく質(MBP)は、ホエー中に含まれ、骨密度を高める働きがあり、オピオイドペプチド…カゼインからできる物質で、神経の興奮をしずめる作用があるとのこと。
ラクトフェリン…生乳や母乳に含まれる成分で、病気の感染を予防し、免疫力を高める働きがあり、また、鉄の吸収を促進し、貧血の予防改善作用が認められています。微量な栄養素もすごい底力があるんです。
【脂質】
水分中に小さな粒子となって乳化状態でまざっていて、小さな脂肪球として分散しているので表面積が大きく、消化器官から分泌される酵素による消化をうけやすく、他の脂肪に比べ消化吸収がよいのが特長。
【炭水化物】
牛乳の固形分中、最多の成分で、その99.8%は乳糖。乳糖は、カルシウムと鉄の腸管での吸収を高め、ビフィズス菌を増やす働きも認められていますよ。
【ミネラル(無機質)】
カルシウム、リン、カリウムマグネシウム、ナトリウム、亜鉛などを含みます。ミネラルは、骨格の主要成分である他、体液のpH の維持、浸透圧の調節、神経刺激の伝達、筋肉の収縮、血液の凝固など生命維持にかかわる重要な働きをしています。
特にカルシウムは牛乳100g中に110mg と豊富に含まれている牛乳はまさにカルシウムの宝庫!
そもそも、カルシウムは吸収が悪い栄養素ですが、そのような中でも吸収率は、小魚33%、野菜19%に比べ、牛乳は40%と他の食品より最も優れているのです。これは(1)CPP (2)乳糖の存在(3)カルシウムとリンの比率が吸収に最適なほぼ1:1 になっているからです。 また、カリウムは牛乳100g中に150mg 含まれ、多く摂りすぎたナトリウムを体外に排出する働きをするので減塩にも役立つ可能性あり。
【ビタミン】
水溶性のビタミンB1・B2・B6、葉酸、脂溶性のビタミンA などが含まれています。子供の成長期に欠かせないビタミンA やB2 のよい供給源です。

(☆o☆)牛乳は、高齢者の「サルコペニア予防にも貢献する⁉」
牛乳の栄養に関する調査研究は、群馬県在住の179名の高齢者を対象に、FFQgを用いた栄養摂取調査、加速度センサー内蔵測定器を用いた身体活動量調査、歩行速度測定、マルチ周波数体組成計を用いた体組成測定、血清アルブミン濃度測定、超音波骨評価装置を用いた骨強度測定を行った。
調査・測定結果を統計検定した結果、全対象者を低牛乳摂取グループと高牛乳摂取グループに分けると日常生活における身体活動量、歩行速度、筋量、骨強度、および血清アルブミン濃度で高牛乳摂取グループが有意に高値を示した。
また牛乳摂取量と身体活動の相乗効果を判定するためにサルコペニア発症相対危険度のオッズ比を算出したところ、「低牛乳摂取+低身体活動」グループは他の群に比べて有意に危険度が高かった。
これらより、高齢者における牛乳の摂取は身体活動や体組成の向上に有用である可能性が示唆された、と報告。
参考
川上 浩、朴 眩泰、朴 晟鎭、青柳 幸利
高齢者における牛乳摂取と身体活動に関する研究」ミルクサイエンス 63 (3) 145-153, 2014

(まとめ)
①鯖の栄養、②牛乳の栄養が組合わさることで栄養凝縮はもちろん、減塩、肥満防止、生活習慣予防や介護予防に大きく貢献出来ること間違いないようですね\(^^)/