管理栄養士yukikoブログ

日本最大ソーシャルイベント「夢AWARD7」グランプリ受賞、高齢者を元気にして世の中の社会保障費を低減したい、と日々奮闘しています。

卵の栄養

f:id:yukikoPPK:20170522195941j:plain卵は一日何個まで食べていいの❓とよく質問されます。卵=コレステロールを上げる⤴でしょ、だから控えているの、と特に中高年の女性に言われます。
閉経後の女性はホルモンの関係でどうしても血中のコレステロール値が高くなる傾向があります。

タマゴはアミノ酸スコアバランスがとてもよく、昔は病人に食べさせなさい、と言われたくらい「完全栄養食品」ともいわれています。

そこで、この噂の根元を探ろうと調べてみました。
100 年前にロシアの研究者が実験で、ウサギにコレステロールを食べさせたところ、動脈硬化が起きたとのこと。これをもって「コレステロールが高いタマゴ=動脈硬化の原因」の図式が広まったそうです。そもそもウサギは草食動物。動物性脂質であるコレステロールの体内調整機能がないので、人間とはまるで違う結果になるとのこと。

体内のコレステロールのうち、食事から摂取しているのは一部にすぎず、8 割程度は肝臓など体内で作り出しています。コレステロールは体に良くないと思われがちですが、細胞膜を構成するほか、脂肪の吸収に必要な胆汁酸や性ホルモンの原料となり、体には欠かせない成分なのです。
だからといって人間はいくらでも食べてもよい、というわけにはなりませんが、1 日1 ~ 2 個のタマゴであれば多くの人には影響しないと言われています。

タマゴには脳の機能を高める「コリン」や目に良い「ルテイン」などの栄養素や良質なタンパク質を含み、ビタミンC 以外の栄養素が含まれており、「完全栄養食品」ともいわれています。摂取を控えすぎるとプラスよりもマイナスの方が大きくなってしまう可能性があります。必要以上に怖がる必要はありませんが、既にコレステロールが高い人は吸収しやすい体質の可能性があるので、控えめにタマゴ料理を楽しんでいきましょー。